今回ご紹介するのは映画『ザ・ビーチ』です。タイタニックに出演し一世を風靡したレオナルド・ディカプリオが100本以上のオファーを蹴って出演を決めたという異色の作品⁉︎
映画『ザ・ビーチ』の作品情報
作品情報
作品名 | ザ・ビーチ |
原題 | The Beach |
監督 | ダニー・ボイル |
脚本 | ジョン・ホッジ |
出演 | レオナルド・ディカプリオ ティルダ・スウィントン ビルジニー・ルドワイヤン ギョーム・カネ ロバート・カーライル パターソン・ジョセフ |
製作国 | アメリカ |
公開日時 | 2000年4月22日 |
上映時間 | 119分 |
映画『ザ・ビーチ』の登場人物とキャスト
写真 | 役名・キャスト・概要 |
---|---|
リチャード (レオナルド・ディカプリオ) 日常の喧騒から逃れタイにスリルを求めてやってきたアメリカ人。ダフィに貰った秘密の地図を頼り秘密の楽園を目指す。 | |
サル (ティルダ・スウィントン) 秘密の楽園を見つけ、コミュティを作った創立メンバーの1人。現在はコミュティのリーダーを務めている。 | |
フランソワーズ (ビルジニー・ルドワイヤン) エティエンヌの恋人。リチャードとエティエンヌと共に秘密の楽園を目指すことになる。 | |
エティエンヌ (ギョーム・カネ) フランソワーズの恋人。リチャードの提案で楽園を目指す。ビーチに向かうまでの手配を全て行う。 | |
ダフィ (ロバート・カーライル) 秘密の楽園でコミュニティを作った創立メンバーの1人。精神に疾患があり、現在は日常の生活に戻ってきていた。リチャードにビーチの存在を教える。 | |
キーティー (パターソン・ジョセフ) ビーチに到着したリチャード、フランソワーズ、エティエンヌをコミュニティに招き入れる。 |
映画『ザ・ビーチ』のあらすじ
スリルを求めてバンコクを訪れたリチャード
都会の喧騒やこれまでの生活を捨て去り、リチャードはより刺激的な体験を求めて旅に出た。
飛行機を乗り継ぎ、バンコクへと向かう。バンコクは東南アジアの玄関口であり、欲望が渦巻く街として知られており、リチャードは、ここなら、求める何かが見つかるに違いないと考えていた。
しかし、実際に訪れてみると、人々が生活する場所を変えただけで、どこも同じように感じられた。
その晩、リチャードはホテルの隣室に宿泊する奇妙な男ダフィから、天国のようなビーチの話を聞く。
そのビーチは孤島にあり、崖に囲まれていて、まるで完璧な楽園のようだという。
その楽園は地図にも載っていないのだ。
数人の冒険者がそのビーチを目指して旅立ったが、未だに戻ってきていないというのだった。
翌日、リチャードが外出先から部屋に戻ると、ドアに黒い紙が貼られていた。
中を確認すると、そこにはビーチへの地図が描かれていた。
リチャードは隣の部屋のダフィを訪ねるが、彼が血まみれで絶命しているのを発見するのだった。
この先は物語の結末やネタバレを含みますので閲覧には充分ご注意ください!!
秘密の楽園のビーチを目指すリチャード
発見者として事情聴取を受けたリチャードは警察署から帰宅すると、しばらく悩んだ末に、隣室に宿泊している若いフランス人カップルのエティエンヌとフランソワーズを誘って、そのビーチを目指すことに決めた。
彼らはビーチ近くの島まで行き、そこから泳いで孤島に渡る計画を立てる。
出発前夜、リチャードはバンガローの鍵を失くしてしまい、苛立ちながら悪態をついているところを隣に泊まっている若者たちに見られてしまう。
その時、ゼフという青年から伝説のビーチの話を聞いた。
一度は行ってみたいと彼らが話していたことから、翌朝、リチャードは地図を書き写し、前日のお礼として青年たちに地図を残した。
そして予定通りにエティエンヌとフランソワーズと共に無人島で一泊し、翌日、荷物を持って海に飛び込み、ビーチを目指して泳ぎ始めたのだ。
無人島までの手配はエティエンヌが手際良く行ってくれていたのだ。
秘密の楽園に到着したリチャードたち
無事に孤島へ渡ったリチャードたち3人は、森に入り広大な大麻畑を見つけた。
リチャードはその周りを歩き回り、首輪をした子猿を発見する。子猿の紐の先には銃を持った監視役と思われる男が寝ていた。
他にも銃を持った男たちが現れたため、3人は畑の陰に隠れて静かにその場を離れる。
川に行き当たり、上流へと遡ると滝にたどり着いた。
行き場を失った、リチャードとエティエンヌは口論を始めたが、フランソワーズは一人でさっさと滝を飛び降りてしまう。
彼女の行動に驚いたリチャードとエティエンヌだったが安全だということが分かると、後を追って滝から飛び降りた。
すると歓声を上げる3人を岸から見ている男がいた。男の名前はキーティー。
彼は3人に拍手を送り、勇気を称えて自分たちのコミュティへと案内したのだった。
コミュニティの一員になる3人
そこは、秘密の楽園にたどり着いた者だけが暮らすコミュニティだった。
案内されたリチャードたち3人は、集落の創設メンバーでリーダーのサルに会うことになった。
彼女は、ここで暮らすためには秘密を守ることが絶対条件だと言い、リチャードがダフィに貰った地図を燃やしてしまった。
その後、リチャードたちはビーチへと案内される。そこは、崖に囲まれたまさに楽園のような美しいビーチだった。
リチャードたちは集落に受け入れられ、そこには世界中から集まった約30人が暮らしていた。
彼らは何年もこの場所で秘密を守りながら生活してきた。
自前で家を建て、食料も自給自足していた。時折、文明社会に戻り、島に自生している、マリファナを売ったお金で米を購入していた。
お互いに惹かれ合うリチャードとフランソワーズ
彼らのコミュニティのほかにも現地人の村が存在しており、両者はお互いに干渉しないようにしていた。
広大な大麻畑は村によって管理されているが、集落にも専用の畑があった。
また、現地の住人たちからは、これ以上人数を増やさないようにと警告されていたのだ。
島の生活に慣れてきたある夜、フランソワーズがリチャードをビーチへ誘った。
彼女はそこでリチャードに自分の気持ちを告白する。
エティエンヌにはまだ話していないため、2人だけの秘密にしようと約束し、その夜彼らは愛を交わした。
しかし、少人数のコミュニティ内では、秘密を保つことは難しかった。
やがてリチャードとフランソワーズの関係をエティエンヌは知ってしまう。
彼はフランソワーズが幸せならばと理解を示しつつも、嫉妬心から怒りを露わにした。
現代社会に戻り買い出しに向かうリチャードとサル
集落の米が少なくなり、リチャードはサルと一緒に買い出しに島へ行くことになった。
都会の喧騒に久しぶりに触れてリチャードは辟易し、なぜサルたちがビーチの存在を秘密にしているのかを理解したのだった。
屋台で一息ついていた時、リチャードはゼフたちに遭遇し、彼らがサルの前でビーチの話をしてしまう。
リチャードは必死にその話を否定し、どうにか事態を収めたが、その代償としてサルから取引を持ちかけられることとなった。
サルには集落内に正式な恋人がいたが、集落では浮気がすぐに知れ渡るため、今回の買い出しの機会を利用して堂々と浮気をしようと考えていた。
彼女にとってバッグスは大切なパートナーであり、リチャードは単なる性欲処理の相手に過ぎないと言い、行為に及んだのだ。
翌朝、皆の買い物と米を持ってビーチへ戻ったリチャード。
フランソワーズはリチャードの元に行き、真っ先にサルとの関係を疑ったが、リチャードは何もなかったと言い秘密を突き通したのだった。
コミュニティ内で事件が起きる
リチャードが買い出しの出来事を忘れられ始めた頃、3人の仲間が漁をしている最中にサメに襲われる事件が起きた。
1人は無傷だったが、1人は命を落とし、もう1人は足に深刻な怪我を負っていた。
負傷した仲間は医者を呼んで欲しいと訴えたが、サルはビーチの存在が他の人々に知られることを恐れ、島に留まるか病院に行くかの選択を迫った。
結局、彼は病院に行かずに島に残ることを選んだ。
数日後、熱と激痛に苦しむ仲間のため、集落内には苛立ちが広がり始めた。
折角の楽園だったが、仲間のことを気にして楽しめない状況が続いていた。
すると、サルは争いが起きるのを防ぐため、負傷者を隔離する決断を下す。
コミュニティの住人たちは怪我人を山奥まで運んでいきテントの中に放置したのだ。
こうして、コミュニティに一時的な平穏が戻ったのだった。。
しかし、エティエンヌはその行為に強く反対し、彼の看病をするためにその場に残ることを選んだ。
リチャードにとって最悪な自体が起こる
ある朝、リチャードはサルに呼び出され見張り台へ向かった。
隣の島にゼフたちが現れたというのだ。
サルはリチャードに地図を渡したのかと問い詰めるとリチャードは地図の写しを渡したことを認めた。
すると、サルはリチャードに対してここで見張りをして地図を取り戻し、ゼフたちを追い返すよう命じたのだ。
その夜、フランソワーズがリチャードとサルとの関係を知ってしまい、怒りを爆発させ、一方的にリチャードに別れを告げた。
正気を失うリチャード
リチャードは災難続きだった。
数日間は真面目に見張りを続けたが、たった一人で見張りをするのは無理があることに気づく。
そして、森を通り抜ける現地人を見て、一人でいるということは、集落の規則や義務から解放されたということだと考えた。
自由になったと感じたリチャードは、ゲーム感覚で森をさまよい、現地人を密かに観察し始めた。
次第にリチャードは孤独から正気を失っていった。
最初にビーチの存在を教えてくれたダフィも、同じような気持ちだったのだろう。
リチャードは集落から食料を盗み、生き延びる日々を送った。仲間の一人が彼を説得しに来たが、リチャードは無言のまま森に戻り、黙々と罠を作り続けた。
島から脱出しようとするリチャード
そんな中、ついにゼフたちが島にやってきたのだ。
彼らはリチャードたちが最初に発見した広大な大麻畑を見つけて大喜びしたが、すぐに見張りに見つかってしまう。
とっさに金や物で見逃してもらおうとしたが、警戒した現地人の一人がゼフの仲間を撃ち殺してしまう。
結果として、ゼフたちは全員見張りに殺されてしまった。
リチャードはその光景を物陰から見ていたが、若い女性が撃たれて命を落とすのを目の当たりにし、ようやく正気に戻ったのだ。
すぐにその場から逃げ出そうとしたが、見張りに追われるも、仕掛けていた罠で一人を倒し、滝から飛び降りてなんとか逃げ延びた。
集落に戻ったリチャードは、フランソワーズとエティエンヌにビーチから逃げる計画を相談した。
エティエンヌは怪我しているコミュニティの仲間も連れて行きたいと話すがリチャードは俺がなんとかすると言い2人を先に行かせた後、怪我をしていた仲間の口を塞ぎ窒息死させてしまう。
その後、海に向かおうとしていたリチャードだったが、何者かに殴られ意識を失ってしまった。
夢の楽園が一瞬にして恐怖に包まれる
その頃、コミュニティには、島に人がきた事に腹を立てた現地人が押し寄せていた。
彼らは人を増やさないという約束が守られていないことに激怒し、楽園を去るように要求した。
しかし、サルは島を離れることを拒否し、すべては地図を渡したリチャードの責任だと告げた。
すると、現地人のリーダーはサルに銃を渡し、リチャードを殺すよう命じた。サルは銃を手にリチャードを狙った。
リチャードは必死にサルを説得しようとしたが、彼女はためらいながらも引き金を引いた。しかし、銃には弾が入っていなかった。
リチャードの命は救われ、サルも人を殺さずに済んだが、その瞬間、仲間たちは楽園で生活を続けることの恐怖に駆られ、一斉に島から逃げ出したのだった。
その後、仲間たちは散り散りに帰国し、リチャードも文明社会に戻っていった。
文明社会に戻ったリチャード
文明社会に戻ったリチャードはカフェでメールを確認していた。
するとフランソワーズからのメールが届いていた。
メールにはビーチで撮影した写真と共にメッセージが添えられており、リチャードは再びビーチに思いを馳せている様子だった。
映画『ザ・ビーチ』の感想
タイの美しい景色の中で、デジタルに囲まれた現代では中々、経験することができないことをしていて、シンプルに羨ましさと憧れをいだいた。
特に、島に到着して崖から川に飛び込むシーンが印象的で羨ましすぎて鳥肌が立った。
映画としてはどこにも楽園は存在しないということを伝えたいのだろうが、デジタルに囲まれた現代社会からすれば彼らの生活していたビーチは美しく間違いなく憧れを抱いてしまうだろう。
ただ、結局、どれほど綺麗で美しい場所に行ってもコミュティで生活していく限り問題が起こるということを認識させられる、今生活している日常がかけがえのない物で大切にしなければいけないと改めて思った。
たまに行くから、楽園に感じるのであって入り込みすぎるのは良くないなとも思った。
作品としては理想の生活と現実の生活を対比させている部分が秀逸だった。
リチャードのように欲に忠実に生きたいと思う一方で、彼のように周りの友人の幸せを奪うことは絶対にしたくないとも思う。
ただ、彼らの自由な生活や一度きりの人生を楽しんでいる姿を見ると、心踊る高揚感を感じることができると同時に、新たな挑戦をしたいと思わせてくれた。
美しい景色と日常生活の大切さを感じさせてくれるのでおすすめの作品だ。
まとめ
今回は映画『ザ・ビーチ』をご紹介してきました。
映画『タイタニック』の大ヒットで一世を風靡したレオナルド・ディカプリオが次の出演作として100件以上のオファーを断り選んだと言われている作品でした。
タイの美しい楽園と人間の醜悪さが対比となっている秀逸な作品なのでぜひ鑑賞してほしい。
個人的には大自然の中で崖から川へのダイブをしたくなりました。
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最後までご覧いただきありがとうございます!
次回の記事でお会いしましょう!
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