今回ご紹介するのは映画『アムステルダム』です。
マーゴット・ロビーやクリスチャン・ベール、テイラー・スウィフトら超豪華俳優たちが共演した話題作をご紹介いたします!
映画『アムステルダム』の作品情報
作品情報
作品名 | アムステルダム |
原題 | Amsterdam |
監督 | デビッド・O・ラッセル |
脚本 | デビッド・O・ラッセル |
出演 | クリスチャン・ベール マーゴット・ロビー ジョン・デビッド・ワシントン クリス・ロック アニャ・テイラー=ジョイ ゾーイ・サルダナ マイク・マイヤーズ マイケル・シャノン テイラー・スウィフト ロバート・デ・ニーロ ラミ・マレック |
製作国 | アメリカ |
公開日時 | 2022年10月28日 |
上映時間 | 134分 |
映画『アムステルダム』の登場人物とキャスト
写真 | 役名・キャスト・概要 |
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バート・ベレンセン (クリスチャン・ベール) 戦争から戻ってきた復員軍人の治療に携わる医者。元軍人で戦争で右眼を失っており義眼をしている。 | |
ハロルド・ウッドマン (ジョン・デビッド・ワシントン) バートの戦友。黒人の弁護士で彼もまた元軍人。 | |
ヴァレリー・ローズ (マーゴット・ロビー) かつては従軍看護師で現在は芸術家。負傷した兵士の体から取り出した弾丸などでアート作品を作るミステリアスな一面を持つ。バートとハロルドとは固い友情がある。 | |
リズ・ミーキンズ (テイラー・スウィフト) ミーキンズ将軍の娘。バートとハロルドにある依頼をし、それがきっかけで彼らは大きな陰謀に巻き込まれる。 | |
イルマ・セントクレア (ゾーイ・サルダナ) バートと共に検死を行った看護師。バートとはいい関係であり、容疑者となった彼らの疑いを晴らすためにサポートする。 | |
ギル・ディレンベック (ロバート・デニーロ) 元軍人で将軍を務めていた為、退役軍人に多大な影響力がある。彼の元には毎日面会希望者が大勢訪れる。 | |
トム・ヴォーズ (ラミ・マレック) ヴァレリーの兄。資産家。 | |
リビー・ヴォーズ (アニャ・テイラー=ジョイ) トムの妻。ギル将軍の大ファン。 | |
ヘンリー・ノークロス (マイケル・シャノン) 財務省の職員という肩書きだが本当の顔はアメリカ政府の諜報員。 | |
ポール (マイク・マイヤーズ) ヘンリーと同じくアメリカ政府の諜報員で、表の顔はガラス屋。バートに義眼を提供する人物。 | |
ベアトリス (アンドレア・ライズボロー) バートの妻。上流階級出身で父親が多大な権力を持つ。バートとは現在別居中である。 | |
ミルトン (クリス・ロック) バートとハロルドの軍時代の仲間。現在はハロルドの元で法律関係の仕事をしている。 | |
タロン (ティモシー・オリファント) 赤ら顔の男でバートとハロルドに罪を被せた。 | |
レム・ゲトワイラー (マティアス・スーナールツ) 容疑者となったバートとハロルドを追う刑事。バートの診療所の常連でよく薬をもらっている。 | |
ヒルツ (アレッサンドロ・ニヴォラ) ゲトワイラーの相棒。扁平足で戦争にはいけなかった。 |
映画『アムステルダム』は実話なのか?元ネタはどんな事件?
映画『アムステルダム』は、ほぼ実話と称されるようにストーリーの基となった事件が存在している。
それは、ビジネス・プロットと呼ばれるクーデター未遂事件だ。
ビジネス・プロットは、1930年代にアメリカで発覚したクーデター未遂事件のことである。
この事件は、大恐慌時代のアメリカにおいて、一部の富裕層や企業家がフランクリン・D・ルーズベルト大統領のニューディール政策に反対し、軍事クーデターを計画したとされるものだ。
この章ではビジネス・プロットがどのような事件だったのか解説していく。
アムステルダムの元ネタとなっているビジネス・プロットとはどんな事件?
1930年代初頭、アメリカは大恐慌の最中であり、経済が深刻な不況に陥っていた。
ルーズベルト大統領は、経済復興のためにニューディール政策を実施し、政府の役割を拡大した。
しかし、この政策に反対する保守的な富裕層や企業家も多く存在しており、ルーズベルトを権力の座から追い落とそうと考えている人々がいた。
彼らは退役軍人団体であるアメリカ退役軍人レギオンやその他の愛国的な団体を利用し、ルーズベルトを権力の座から退けようと計画していたのだ。
この計画のシンボルにされようと画策されていたのが退役海兵隊少将スメドリー・バトラーだった。
バトラーは、クーデター計画への協力を持ちかけられるも、この計画を公に暴露した。
1934年、バトラーはアメリカ合衆国下院の特別委員会にビジネス・プロットについてルーズベルトを排除し、ファシスト政権を樹立する計画の一環としてアプローチされていると証言した。
特別委員会は、バトラーの証言を受けて調査を行うも、具体的な証拠や証言を集めることはできず、クーデター計画の真実性については結論を出すことができなかったそうだ。
そのため、ビジネス・プロットは実行に移されることはなく陰謀として終わったクーデター未遂事件なのである。
今作ではバトラーがギル・ディレンベック将軍に置き換えられストーリーが描かれている。
映画『アムステルダム』のあらすじ
復員軍人の治療をする医師バート
1930年代のニューヨーク。
かつて第一次世界大戦を生き延びた医師バートは、戦争で受けた身体の傷と心の痛みを抱える復員兵たちに寄り添い、治療する医院を開いていた。
バート自身も元々軍人で戦争に行っていたこともあり、バートは彼らの苦しみを理解していたのだ。
そのため、痛み止めを惜しみなく差し出し、国が承認していない新薬の開発も行い、それを使用して治療にあたっていた。
彼の医院は、心身共に傷ついた復員兵たちにとって、唯一のよりどころとなっていた。
黒人弁護士ハロルド
ある日、戦地で知り合った親友で黒人弁護士のハロルドから呼び出される。
ハロルドは、軍隊で世話になったミーキンズ将軍の娘リズ・ミーキンズから、変死した父の遺体を解剖して死因を解明してほしいと依頼されたのだ。
バートとハロルドは、リズの依頼を受けてミーキンズ将軍の死体を2時間かけて解剖した。
詳しい検査結果が出るまでには少し時間がかかるが、胃の中に何らかの異物が見つかり、やはり何者かの手によって殺害された可能性が浮上したのだった。
陰謀に巻き込まれるバートとハロルド
彼らはこの重要な発見をリズに報告するため、彼女と路上で会うことにした。
息を切らしながら駆けつけたリズに、バートは慎重に将軍は殺された可能性があることを伝えようとすると、リズは、誰かに脅されたようで、もう調べなくてもいいと言った。
その後、何か言いかけたその瞬間、突然建物から出てきた男がリズを車道に突き飛ばしたのだ。
運悪くそこに車が猛スピードで走ってきてリズは轢き殺されてしまった。
突然の出来事に呆然とするバートとハロルドの前で、リズを突き飛ばした赤ら顔の男は2人を指さし、「あいつらが彼女を突き飛ばしたんだ」と叫び始める。
すると、周囲の人々も赤ら顔の男の言葉を信じ、バートたちを非難し始めた。
事態は瞬く間に悪化し、警察が現れ騒ぎがさらに大きくなってしまった。
追い詰められた2人は、混乱に乗じてその場から逃げ出すしかなかったのだった。
バートとハロルドの出会い
逃げながら、バートは初めてハロルドと出会ったときのことを思い出していた。
それは、バートが激戦地に派遣された時のことだった。
黒人兵たちは命令を聞こうとはせず、部隊は混乱状態に陥っていた。
黒人兵を平等に扱うことを求めて上官に抗議していたその中心人物こそが、ハロルドだったのだ。
その騒ぎを耳にしたのが、ミーキンズ将軍だったのだ。
将軍は自分の部隊を人種差別のない部隊にすると断言し、即座にバートをハロルドたちの上官に指名した。
ハロルドはバートに向き合い、命をかけて俺たちを守ってくれるかと問いかけるとバートは力強く承諾したのだった。
それが、彼らの絆の始まりだったのだ。
戦争によって心身ともに傷を負ったバートとハロルド
戦争中、激しい戦闘の末、バートとハロルドは大怪我を負って病院に運ばれた。
そこで看護師のヴァレリーは必死に二人を手当ていた。
バートは片目を失い、腰のコルセットが必要な状態に。
ハロルドも左頬に醜い傷跡が残ってしまった。
しかし、ハロルドとバートはヴァレリーの献身的な看護に支えられ次第に元気を取り戻していったのだ。
そして、3人は深い絆で結ばれた親友となっていた。
アムステルダムでの幸せな思い出
オランダのアムステルダムに行くと、義眼を作ってくれるいい技師がいるとヴァレリーが言いだし、バートとハロルド、ヴァレリーの3人でアムステルダムへ行った。
そこでの生活はとても楽しいもので彼らは人生で最も幸せな時間を過ごしていた。
新たにバートは義眼を手に入れ、ハロルドとヴァレリーは恋人関係となり、3人は戦争で疲弊した身体と心の傷を癒していた。
そんな幸せな時間が続いていたある時、妻をアメリカに置いてきていたバートは帰国することを決断する。
その後、アメリカに帰国したバートがモルヒネ依存症になっていることを知ったハロルドは彼を助ける為にアメリカに帰国することをになった。
帰国する時にヴァレリーを連れてアメリカに帰ろうとしていたハロルドだったが、彼女は手紙を残して消えて彼の前から消えてしまったのだった。
警察から逃げるバートとハロルド
現在、医師のバートと弁護士のハロルドは、信頼される職業にもかかわらず、殺人の嫌疑をかけられて警察から逃亡していた。
バートは自宅に戻り、妻のベアトリスにこれまでの経緯を説明する。
バートがリズが最後に発した言葉について推理していると、裕福な家に育ったベアトリスは、リズが最後に言った言葉がヴォーズではないかと指摘した。
ヴォーズとは街の資産家の名前でトム・ヴォーズのことだった。
自宅に警察のゲトワイラー刑事とヒルツがやってきて彼らを捕まえようとするもバートは自分たちは無実だ主張し、証拠品を提出することを条件に見逃してもらうことになった。
ヴォーズ邸で再会を果たす3人
手掛かりを求めてトム・ヴォーズを訪ねたバートとハロルドは、教会の人のふりをすることでトムに接触しようと試みるものの屋敷の召使いに跳ね除けられてしまう。
その後、現れたトムの妻のリビーと何とか会話をすることができ手紙を渡した2人が帰ろうとしたその時、偶然にもアムステルダムで一緒に時を過ごしたヴァレリーと屋敷の中で再会した。
彼女はアムステルダムを去る際の不安から一時的に身を隠していたのだと言った。
10年以上経っているものの当時と見た目が変わらず元気そうなヴァレリーだったが、てんかんと神経症を患い、薬が欠かせない状態だと彼女は言った。
さらに、驚くことに彼女はトムが自分の実の兄であることを明かしたのだ。
それを聞いたバートとハロルドは、親友だと思っていたヴァレリーのことを何も知らなかったことにショックを受けた。
しかし、ミーキンズ将軍の死の真相を探る決意を固めます。
彼らはトムに協力を仰ぐと、彼らの熱意を感じ取ったトムは、かつてミーキンズ将軍と共に戦い、そのカリスマ性で知られたかつての海軍将軍のギル・ディレンベックを訪ねるよう助言した。
元将軍ギル・ディレンベックの元を訪れる、バート、ハロルド、ヴァレリー
トムの助言に従い、バートとハロルド、ヴァレリーは将軍の死の謎を解き明かすための新たな手がかりを求めてギル将軍の元を訪ねる為に出発した。
しかし、ギル将軍の家には毎日のように大勢の人が面会を求めて押し寄せてきており、簡単には合わせてくれなかった。
しかし、ギル将軍と一度会ったことがあるバートは当時の写真を将軍の妻に渡すとそれを見たギル将軍は彼らに面会の時間を与えてくれたのだった。
退役軍人で行うイベントを開催しようとしていたバートはそこで、戦争の英雄であるギル将軍がスピーチをすれば、ミ―キンズ将軍を毒殺しその娘リズを殺害した犯人が接触してくるのではないかと考えていた。
その考えを聞いたギル将軍はバードの説得に応じてスピーチをすることを決断した。
明かされる黒幕
イベントの当日になり、軍人たちの士気をあげ、軍人を狙う犯人を煽るスピーチをしようとしていたギル将軍の前に、トムが現れ、スピーチの内容を変えれば大金を払うと誘惑した。
しかし、ギル将軍は自身の信念に基づき、自分の言葉でスピーチをすることを決断する。
そして、ついにスピーチが始まり、軍人を狙う犯人を煽るような内容をギル将軍が話始めると隠れていた犯人にギル将軍は命を狙われてしまう。
その際に、犯人によってバートは腹を銃撃されてしまった。
しかし、ハロルドとヴァレリーがその犯人を捕えることに成功すると、犯人は黒幕がヴァレリーの兄である、トム・ヴォーズだと叫んだ。
それを聞いた一行はトムのことを問い詰めるとこれまでの経緯を語り出した。
裕福な家庭に生まれ、資産家だったトムは他の大企業の資産家達と結託しその経済力で世界征服を企んでいたのだ。
トムはファシズムの考え方に強く共感しており、アメリカを独裁的な国家に仕立て上げる為、ミーキンズ将軍を彼らの言うことを聞く独裁者にしようとしていたが、それを断った為にトムの怒りを買い殺害されてしまった。
トムは自分の妹のヴァレリーさえも正義感が強く目障りだと考え、病気という程にして薬物漬けにして支配しようとしていた。
出国するハロルドとヴァレリー
トムとリビーのヴォーズ夫妻は逮捕されたものの、いつ自分たちに危険が及んでもおかしくないと考えたハロルドとヴァレリーはアメリカを後にして新たな国へと出国することに。
アムステルダムに行きたいと考えていた2人だったが行き先はそこではなかった。
バートも共に行こうと誘った2人だったが、彼はアメリカに残ることを決断したのだった。
映画『アムステルダム』の感想
キャストが豪華で以前から注目していた作品。
第一次世界大戦の退役軍人を主人公としアムステルダムで出会った3人が国家の陰謀に巻き込まれていくという内容でかなり面白くなりそうではあるがインパクトはそこまでなかったのが正直な感想だ。
大どんでん返しやラストに驚くべき新事実が!的な展開を少し期待してしまったが淡々と終わってしまった感覚だった。
ビジネス・プロット事件が基になったストーリーだが、様々な要素を詰め込みすぎて情報量が多すぎる印象を受けた。
その為、ストーリー自体に深みがなく、淡々と終わってしまったように感じたのかもしれない。
ただ、この時代に今作で描かれるような陰謀が渦巻いていたという歴史的な事実はかなり興味深くそういった部分では面白いと感じた。
アムステルダムの3人の幸せな思い出が美しく描かれており、シーンとしても映像としてもその部分は、かなり好きだった。
10年近く離れていたが3人の絆は健在で、息のあったトリオは見ていて面白く、爆発的な笑いや想像以上の展開は無いものの要所要所で笑えるシーンがあったり、サスペンス的な要素があったりと楽しめる作品ではある。
ストーリー云々よりもキャストが豪華すぎて彼らの演技を見ているだけでも楽しめると思う。
豪華俳優達を無駄遣いしていると言っても過言では無いほど主要キャスト以外も豪華で驚愕した。
テイラー・スウィフトまで出演してるじゃん!と思ったら、映画の冒頭30分もせずに退場したし、ロバート・デニーロまで出演しており、どれだけお金がかかってるのか気になってしまうほどだった。
キャストが豪華すぎることでストーリーを度外視して楽しめるので決して悪い映画ではないし楽しめない映画ではないなと思う。
実際にあったビジネス・プロット事件を基にした作品なので歴史や政治的な話が好きな人にはおすすめだ。
まとめ
今回は豪華キャストが集結した映画アムステルダムをご紹介してきました。
どの場面を切り取っても絵になる俳優たちの共演に目が離せない作品です。
さらに実話を基にした話であるため、歴史的な視点で見るのも一つの楽しみ方なのではないかと思います。
クリスチャン・ベール出演作品はこちらから↓
マーゴット・ロビー出演作品はこちらから↓
ジョン・デビッド・ワシントン出演作品はこちらから↓
最後までご覧いただきありがとうございます!
次回の記事でお会いしましょう!
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