
今回ご紹介するのは映画『ザ・クリエイター/創造者』です。
世界で高評価を受け2023年10月20日に公開された兵士とAIの少女を描く壮大なSF大作をご紹介いたします!
映画『ザ・クリエイター/創造者』の作品情報

作品情報
作品名 | ザ・クリエイター/創造者 |
原題 | The Creator |
監督 | ギャレス・エドワーズ |
脚本 | ギャレス・エドワーズ クリス・ワイツ |
出演 | ジョン・デビッド・ワシントン マデリン・ユナ・ボイルズ ジェンマ・チャン 渡辺謙 スタージル・シンプソン アリソン・ジャネイ アマル・チャーダ=パテル |
製作国 | アメリカ |
公開日時 | 2023年10月20日 |
上映時間 | 133分 |
映画『ザ・クリエイター/創造者』の登場人物とキャスト
写真 | 役名・キャスト・概要 |
---|---|
![]() | ジョシュア (ジョン・デビッド・ワシントン) AIに憎しみを抱く元特殊部隊員。兵器と呼ばれた少女と任務で出会い彼女を守ることに。 |
![]() | アルフィー (マデリン・ユナ・ボイルズ) クリエイターの潜伏先にいた超進化型AIの少女。人間の様に成長していく。 |
![]() | マヤ (ジェンマ・チャン) ジョシュアの妻。彼の前から姿を消す。 |
![]() | ハルン (渡辺謙) 人間と敵対するAI軍のリーダーでありヒューマノイド。 |
![]() | ハウエル (アリソン・ジャネイ) US軍の大佐。アルフィーの捕獲作戦にジョシュアを引き入れた人物。 |
映画『ザ・クリエイター/創造者』のあらすじ
The Creator

2055年の地球ではアメリカ政府が開発したAIがロサンゼルスで爆発を起こしたことをきっかけにアメリカやヨーロッパなどの西側諸国はAIを根絶することを決める。
一方で、ニューアジアではAIや人型のロボットのシミュラントを受け入れたことで西側とニューアジアとの対立が始まった。
アメリカはNOMAD(ノマド)とよばれる超巨大な宇宙ステーションを配備し上空からミサイル攻撃ができる装備を持っていた。

ジョシュアとマヤはニューアジアの村で2人幸せに暮らしていた。
マヤは妊娠しており、2人には幸せな未来が待っていたのだ。
そんな中、アメリカはニューアジアでAIの開発に関わるニルマータと呼ばれる創造者を暗殺することを決めジョシュアとマヤが暮らしていた村を襲撃する。
ニルマータの娘だとアメリカ軍に考えられていたマヤは重要な人物として目を付けられていたのだった。
マヤを2階に行かせたジョシュアは襲撃してきたアメリカの軍人と突然会話をし出す。ジョシュアは実はアメリカ側の潜入捜査官だったのだ。
マヤが2階から戻ってきたことによりジョシュアが潜入捜査官であることがバレてしまう。
マヤはすぐに逃げ出し船に乗ってシミュラントや仲間達と海に出るがノマドのミサイル攻撃の爆発に巻き込まれてしまった。
ジョシュアは最愛のマヤとお腹の子供を失ったのだ。
The Child

それから5年が経ちアメリカ軍の上官、ハウエルがジョシュアの元を訪れ、マヤが生きていることを告げた。
ハウエルはニルマータが作り出した新兵器を破壊するミッションに参加する様にジョシュアに提案する。
マヤを探すためジョシュアはミッションに参加をすることになる。
ニューアジアを訪れたジョシュア達の部隊はAIたちと暮らす人々の基地を発見する。
新兵器があるとされていた部屋にジョシュアが訪れるとそこに待っていたのは小さな子供のシミュラントだった。
軍の上層部からその少女を殺す様に言われたジョシュアだったが彼女からマヤの居場所を聞き出すことができるのではないかと考え彼女を連れだすことになる。

そんな中、外にはニューアジアの警察が到着し、アメリカ軍と銃撃戦が繰り広げられていた。
ジョシュアは仲間達とはぐれ少女と2人で行動を共にすることに。
警察の追っ手から逃れなんとか農家に逃げ込んだジョシュアと少女だったがそこで少女が特別な能力を持っていることに気づく。

少女は遠隔で電子機器を操作することができる特別なシミュラントだったのだ。
農家の周りを包囲されるも、彼女の能力によってなんとか車で脱出することに成功した。
少女は驚くほどの学習能力ですぐにジョシュアと会話ができるほどの英語の能力をつけた。
ジョシュアは少女をアルフィーと名付ける。2人は通りすがりの家族の車に乗せてもらい逃亡を続ける。
ハウエルはニューアジア警察を利用し記憶の情報などを頼りにジョシュアとアルフィーを追いかける。
ジョシュアはアルフィーを誘拐したアメリカ軍としてニューアジア警察に指名手配される。
警察の検問所で止められてしまうもアルフィーが能力を使用したことによってなんとか検問を突破することができた。
The Friend
ジョシュアはアルフィーを連れ軍時代の友人が経営するロボット工場へ訪れる。
ジョシュアはアルフィーの知能からマヤの居場所を抜き出してほしいと友人のドリューに頼みアルフィーを見てもらう。
彼女を見るとこれまでのシミュラントとは違い、高度な作りになっており情報を取り出すことができないことが判明する。
ドリューはアルフィーが世界で一番最強の兵器に成長する可能性があるとジョシュアに告げた。
そこをニューアジアの警察が襲撃しドリューの彼女のシミュラントは爆破によって破壊されてしまった。
ギリギリのところで逃げ切ったジョシュア、アルフィー、ドリューはマヤの指輪に埋め込まれていた位置情報を辿ると彼女とジョシュアがかつて過ごしていた浜辺の家を指していた。
ドリューはアメリカ軍の攻撃によってかなりの負傷をしており、息を引き取る寸前だった。
ドリューはジョシュアに対して5年前に起きた襲撃事件はマヤを狙ったものだったことを告白する。
ニルマータの正体がマヤだとアメリカ軍は気付いており彼女を狙っていたということが明かされた。

彼らはかつての家に着くとすでに荒れ果てていた。家に転がる指輪を拾い上げ悲しむジョシュアの元にシミュラントのハルンが現れる。
ハルンとジョシュアは兄弟分であった。しかし、ハルンはジョシュアのことを拘束した。
ハルンはAIが起こしたとされるロサンゼルスで発生した爆発は実は人間のミスによって起こったものであり、アメリカ政府が責任をAIに擦りつけただけだと説明する。
AIは人間を憎むどころか共に共存することを望んでいるとハルンはジョシュアに言ったのだった。
The Mother

ニューアジアの村に連れて行かれたジョシュアとアルフィーはハルン達が眠りについた頃、隙を見て逃げ出そうとする。
ハルンの電源を切ろうとしたジョシュアを見てアルフィーは怪訝そうな顔をした。
それを見たジョシュアはアルフィーに「オフじゃないスタンバイだ」と言って納得させる。
逃げようとしている最中、アルフィーがアメリカ軍の攻撃によって負傷をしてしまう。

ジョシュアはアルフィーを連れてハルン達と山奥にありニルマータが住む建物に向かった。
ジョシュアとアルフィーはそこで昏睡状態になったマヤと再会をしたのだった。
マヤは5年前に起きたノマドの襲撃以来、ずっと昏睡状態で目を覚さないままだったと聞かされる。
シミュラントはニルマータに危害を加えることができない為、マヤはいつまでも死ぬことができずにいたのだった。
ジョシュアはアルフィーがノマドの攻撃がなければ生まれるはずだった、ジョシュアとマヤの子供のDNAに基づいて作られたAIであることが明かされる。
生まれる前の胎児をスキャンしマヤがアルフィーを開発したのだった。
ジョシュアは心を決めマヤの生命維持装置を切り天国に行かせてあげたのだ。
そこにハウエルと彼女の部下達が到着しマヤの脳内をチップに保存したが駆けつけたハルンによって殺される。
アルフィーの能力は徐々に強くなっているが現段階では近距離でしか影響を及ぼせない状態だった。
ジョシュアはアルフィーと共にわざと捕まることでノマドに乗り込み直接ノマドを破壊しようと決意したのだった。
アメリカ軍の基地に連れて行かれたジョシュアはスタンガンでアルフィーを殺害する様に言われる。
ジョシュアはアルフィーに「オフじゃないスタンバイだ」と声をかけ殺したように見せかけたのだった。
焼却室に運ばれる最中、ジョシュアはアルフィーと共に逃げ出し月に向かうシャトルに乗り込みアルフィーが宇宙船を能力で操作することでノマドに上陸した。

後が無くなったアメリカ軍はニューアジアにあるAIの拠点にミサイルを投下するようノマドに指示を出した。
ジョシュアがノマドに爆弾を設置するまでの間、アルフィーは能力を使いノマドの動力源を全てオフにしていた。
爆弾の設置が完了し2人は逃げ出す為にそれぞれ脱出ポッドに向かう。
ジョシュアが脱出ポットに到着すると触手型のロボットによって脱出できない状況になっていた。
ジョシュアはすでに脱出ポッドに乗っていたアルフィーを地球に向けて発射し、自分は爆発するノマドに残ったのだった。
ノマドに残ったジョシュアはそこでマヤの姿をいたシミュラントに遭遇する。
このシミュラントはハウエルがダウンロードしていたマヤの脳内チップを使用してアルフィーが起動させたもので彼らは運命的な出会いを果たす。
ノマドが爆発する中、2人は抱き合った。
ノマドは爆破されアルフィーは無事に地上に着陸する。
地球に戻ったアルフィーは満面の笑みでノマドの破壊を祝ったのだった。
映画『ザ・クリエイター/創造者』の感想・解説

AIと人との争いというSFではありがちな内容ではあるが作り込まれた世界観と映像、AIのビジュアルがとても良かった。
近未来型のガジェットや戦闘機、AIなどのビジュアルだけでもワクワクが止まらなかった。
ただ、一番注目してほしい点はアメリカが悪役ということだ。
昨今の作品はどれもアメリカや西側の諸国が勝つ構造で作られる。
しかし、今作はAIを嫌い排除しようとするアメリカ対AIに対して寛容で共存を望むアジア(ニューアジア)の構造になっており、最後はアメリカが負ける。
こんな風に描かれる作品は滅多にないのではないだろうか?
個人的にはその部分だけでも評価は高い。
これはAIに限った話ではない様に感じた。異国や受け入れ難い人種を排除しようと差別をするアメリカに対する風刺的な作品だとも感じた。
最終的には共存を目指したアジアが勝ち、恐らく多様性が認められる社会に突入していくのだろう。
そんな風に取れるラストシーンだった。
さらに、監督が日本好きということもあってか近未来の日本を思わせる風景や日本語の文字などが多く出てくるところも魅力の一つではないだろうか。
『ザ・クリエイター 創造者』の元になっているのは幼い息子と放浪する刺客を描いた日本の時代劇「子連れ狼」であることからも日本へのリスペクトが伝わってきた。
まとめ
AIと人の戦いを描いた今、大注目のSF映画『ザ・クリエイター 創造者』をまとめてきました。
物語の設定や世界観がSF好きには堪らない作品だと感じた。
日本へのリスペクトやこれまでにないアメリカとアジアの描かれ方など見どころが多数の作品だった。
未鑑賞の方には、ぜひ一度ご覧いただきたい。

最後までご覧いただきありがとうございます!
次回の記事でお会いしましょう!
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