
今回ご紹介するのは映画『X エックス』です。何かと話題となるA24の作品を見ていきます!
映画『X エックス』の作品情報

作品情報
作品名 | X エックス |
原題 | X |
監督 |
タイ・ウェスト |
脚本 | タイ・ウェスト |
出演 |
ミア・ゴス ジェナ・オルテガ マーティン・ヘンダーソン ブリタニー・スノウ オーウェン・キャンベル スティーヴン・ユーア スコット・メスカディ |
製作国 | アメリカ |
公開日時 | 2022年7月8日 |
上映時間 | 105分 |
映画『X エックス』のキャラクターとキャスト

この物語を語るのに外せない8人を紹介していくよ!
写真 | 役名・キャスト・概要 |
---|---|
![]() | マキシーン (ミア・ゴス) テキサス出身のストリッパー。未知なる才能を持つ女優でもある。 |
![]() | ウェイン (マーティン・ヘンダーソン) マキシーンの才能を見出した敏腕プロデューサー。彼女とは体の関係も… |
![]() | ボビー=リン (ブリタニー・スノウ) ウェインの話に乗っかりアメリカンドリームを期待するブロンドヘアの女優。 |
![]() | ジャクソン (スコット・メスカディ) 黒人俳優。戦争から帰還したことを誇りに思っている。 |
![]() | ロレイン (ジェナ・オルテガ) 撮影の録音担当。RJの彼女。ポルノ撮影に対して不満を持っている。 |
![]() | RJ (オーウェン・キャンベル) 新進気鋭の映画監督。 |
![]() | ハワード (スティーヴン・ユーア) 退役軍人の男性。戦後は農場で妻のパールと過ごす。 |
![]() | パール (ミア・ゴス) ハワードの妻。昔はチヤホヤされていたが今は夫にも相手にされず不満が溜まっている。 |
映画『X エックス』のあらすじ

ここからは映画『X エックス』のあらすじを見ていこう
スターを夢見る女優「マキシーン」

舞台は1979年のテキサス。
スター女優を夢見るマキシーンは敏腕プロデューサーの彼、ウェインと共に新たな映画を撮ることになる。
彼らに加え、ブロンド女優のボビー=リンとベトナム帰還兵で俳優のジャクソン、自主映画監督であり学生のRJ、その彼女で撮影の録音担当である学生のロレインの計6人で映画撮影の為に借りた田舎の農場へ向かう。
彼らはそれぞれ野望があり一発逆転のアメリカンドリームを掴むため、今回撮影する映画「農場の娘たち」に人生を賭けている。
農場にて

農場に到着すると白髪にシワのよった顔のみすぼらしい格好をした老人ハワードが6人を出迎える。
ウェインが挨拶に行くと拳銃をつきつけられ不穏な空気が漂う。
しかし、彼は部屋を借りたいと連絡をしていることを伝えると拳銃をおろし部屋へと案内してくれることに。
マキシーンは車から降りる時に部屋の窓からこちら側を覗く何かの視線に気が付く。
部屋に着くと早速映画の撮影が開始される。
生粋のポルノ映画である。ロレインはポルノ映画の撮影だと知らず同行していたのでポルノと知り、不満が溜まっている。
この先はネタバレ、結末を含みますので閲覧には十分ご注意ください!
マキーシーンと農場の老婆パールの出会い

1人で農場付近の池で泳ぎリラックスタイムを過ごしていたマキシーンであったが、小屋に戻ると向かいの家から1人の老婆がこちら側に向かって手を振ってくる。
不思議に思ったマキシーンは状況を見に向かい側の家を訪れる。
家の中は薄暗く不気味な雰囲気が漂う中、老婆パールが現れ彼女にレモネードを出す。
帰り際にパールはマキシーンに自分の生い立ちを話し、マキシーンの体に触れ、「2人だけの秘密よ」と言って帰らせる。
戻ったマキシーンは薬を使い鏡に向かって「私はセックスシンボル」だと言い気合いを入れる。
撮影にて
ついにマキシーンの出番が来て撮影が始まる。
撮影を窓の外から覗く影があり、老婆のパールであった。
パールはマキシーンの姿を見て過去の自分に重ね合わせていた。
部屋に戻ると夫ハワードに体を迫ろうとするが断られる。
録音担当がポルノ出演?

撮影後の夜になり6人は夕食をとりながら団欒をしていた。ポルノ撮影に対して疑念を抱いていたロレインは彼らに多くの人と体の関係を持つ事に対してや、自分の彼女が他の男とヤることが嫌ではないのかと聞く。
ロレインは彼らの全ての考えに同意したわけではないが撮影には感動したと伝え、いい作品を撮るには録音係ではなく自分も映画に出たいと話す。
彼氏のRJは反対するが映画の撮影をする事になる。
1人目の被害者 【RJ】
彼女であるロレインをポルノ映画に出演させてしまったRJは後悔し、車で農場を後にしようとする。
車で出発しようとすると目の前にはパールの姿があった。
ボケて徘徊していると思ったRJは彼女に近づき大丈夫かと声をかける。
すると、パールはRJに欲情し「彼女を見るように私のことを見て」と迫る。それを跳ね除けるとパールはナイフでRJの喉を突き刺し。倒れたRJを死ぬまで滅多刺しする。
2人目の被害者 【ウェイン】

RJがいなくなった事に気がついたロレインはウェインに相談をしに行く。
渋々、探すことを決めたウェインは裸のまま農場に向かう。農場でRJを探していると足に大きな釘が刺さってしまう。何かの物音がして壁の穴を覗くとパールが彼の目を農具で突き刺し殺害する。その後も彼の体を農具で突き刺す。
ロレインがRJを探しているとハワードに遭遇する。ハワードはパールが居なくなったと話し、ロレインはハワードと共に家に探しに行くが地下室に閉じ込められてしまう。
地下室には死体が吊るされておりロレインは悲鳴をあげ逃走しようとするが閉じ込められてしまい逃げられない状況に陥る。
3人目の被害者 【ジャクソン】
何かの物音で目覚めたジャクソンの元にハワードが現れる。
彼はパールが居なくなったことを伝えるとジャクソンは戦争帰りのよしみだと言ってパールの捜索を手伝う事になる。
池を捜索したがパールを見つけられなかったジャクソンが戻ろうとすると背後にハワードがいた。ハワードはジャクソンに向かって妻を誘惑したと言い胸を銃で撃ち殺害する。
その頃、部屋で寝ていたマキシーンの横には血だらけのパールが彼女のベットに入っていた。
目が覚めたマキシーンが叫び声を上げるとその声によってボビー・リンが目を覚ました。
パールに触られ恐怖を感じたマキシーンはヤクを吸い精神を安定させる。
4人目の被害者 【ボビー=リン】
目が覚めたボビーはウェインやジャクソンがいない事に気づく。
彼らを探しに外に出ると、パールが池の近くで裸で立っているところを発見する。老婆の徘徊だと思ったボビーは彼女を介抱しようとするが「看護師など必要ないお前はアバズレだ」と言い彼女をビンタする。
怒ったボビーが部屋に戻ろうとするとパールは彼女を池に突き落としワニが彼女を食べ死亡してしまう。
5人目の被害者 【ロレイン】

ハワードの部屋に着いたマキシーンはベットの下に隠れる。
ハワードとパールは殺人の話を始める。
その後、マキシーンは特別で昔の私のようだとパールが言い。パールはハワードに私は特別だと言うように要求する。
ハワードは「お前のような美人は見たことがなかった、特別だ」と伝えるとパールは性的な交わりを求める。
ハワードは心臓が持たなかったらどうする?と心配するが老人達の交わりが始まった。
恐怖を覚えたマキシーンはベットの下から逃げ出したマキシーンは家の外に出てくるまで逃げようとするが車の鍵が無い事に気づき再び部屋に戻り探していると、ロレインが地下室に閉じ込められているところを発見する。
地下室の鍵を開けるとロレインは大声でみんな大嫌いだと言い家の外に走り出そうとするも、扉を開けた瞬間にハワードによって銃殺される。
ラスト

ロレインを殺したハワードは彼女を家の中に運ぼうとするが心臓発作が起き死亡する。
パールはハワードを心配しているとマキシーンが拳銃を持って彼女の前に現れ車の鍵を出せと言う。
車の鍵を手にしたマキシーンは「私らしくない人生は受け入れない!」と言いパールに拳銃を向け殺そうと引き金を引くが弾が入っておらず殺害することができなかった。
その隙にパールは銃でマキシーンを打つが発砲の衝撃で家の外まで吹き飛ばされ腰の骨を折る。
パールはマキシーンに助けを求めるがマキシーンは車に乗り込みパールの頭を車で轢き殺害し「2人の秘密よ」と言う。
老夫婦の自宅のテレビで度々、流れてきたキリスト教伝道師の男は「娘が悪魔に唆されて出て行ってしまった」と演説をする。彼が実はマキシーンの父親であることが明かされる。
映画『X エックス』の感想・解説

とにかく衝撃が強すぎる。
子供には注意が必要なシーンが連発しエロさ、グロさの融合というような感じだった。
物語の構造として6人の若者達のシーンと老夫婦のシーンをクロスさせて対比させる表現を使用しており若者のイキイキとしているエネルギッシュさが際立つ一方で老夫婦の醜さがより際立つ映像になっていた。
特にマキシーンとパールの対比が秀逸で2人を演じたミア・ゴスは圧巻だった。単純にパールが若い頃の自分に重ねているだけでなくもしもあの時自分の意思で行動できていればという”もしも”の存在としてお互いを対比させ、それをミア・ゴスが1人2役演じる事でさらに対比構造を明確にしてた。
自分の人生を切り開くという強い意志を持ったマキシーンであったり映画撮影に感銘を受け自ら映画に出演したいと直談判した録音担当のロレインであったりと、若者6人のポルノ映画撮影に対する情熱が丁寧に描かれている点がこの映画後半の展開を引き立たせ、さらに映画のクオリティを上げていると感じた。
この奇妙な連続殺人鬼の話には元になった可能性がある殺人事件が存在する。X エックス公式サイトによると、それはコープランド夫妻による殺人事件である。この事件はコープランド夫妻が営んでいた農場で働くある男性が人骨を見つけたことが発端で明るみになり、その後警察の調査によって5人の死体が発見されコープランド夫妻は76歳と69歳で死刑判決を下され2人はアメリカで死刑判決をされた最年長のカップルとなったそう。

家族やパートナー、子供と見るには注意が必要な作品だったね。
家で鑑賞中、何度もヒヤヒヤしたよ…
まとめ
タイトル『X エックス』の意味とは

タイトル『X エックス』にはどんな意味が含まれているのか見ていこう!
一番有力なタイトルの意味としてはアメリカの映画のレイティングシステムのX指定が挙げられる。
X指定とはアメリカ映画協会が1968年から1990年まで使用されていたレイティングシステムである。
レイティングシステムとはその映画を鑑賞でいる年齢制限枠のことであり、X指定は16歳以下の鑑賞は不可という意味である。
実際に本作は、年齢制限が必要な性的なシーン、暴力的なシーンが多く含まれておりこれがタイトルの意味であると言える。
X指定という意味に加え劇中度々登場するXFACTOR(Xファクター)という言葉やエクスタシーという意味など多くの意味を含んだタイトルであると言える。
・アメリカの映画レイティングX指定
・秘密のX
・極限のXTREME
・快感のXTC
・未知なるXFACTOR(Xファクター)
「未知の人物、未知の要因、特別な才能」という意味
なぜパールは若者たちを殺したのか?
パールが若者たちを殺害した理由として考えられるのは若者に対する憎悪や自分が失った若さを持っている事への嫉妬だと考えられる。
パールはマキシーンのことをひどく気に入っていたり、過去の自分の姿に重ねていると思われるシーンが何度も登場する。彼女は自らが戦争で失った青春の日々や若さを若者達が持っている事に憎悪が溜まっていたのではないかと考えることができる。
また、若い頃は周りから特別扱いを受けていたのにもかかわらず現在では夫であるハワードにも相手にされず若者達に欲情しても相手にされずといった状況で憎悪が増し殺害に至ったと考えられる。
A24初のシリーズ映画

本作は三部作構成とすでに発表されており、1作目の本作『X エックス』、2作目は現在公開中の映画『Pearl パール』である。
なぜ、パールが連続殺人犯になったのか?彼女の過去を探る作品になっているそう。
2作目でパールの過去を紐解くということは3作目ではマキシーンの過去、または未来について描かれる作品になるのではないかと考えられる。続編も楽しみなシリーズである。
映画『Pearl パール』はこちらから↓

最後までご覧いただきありがとうございます!
次回の記事でお会いしましょう!
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