今回ご紹介するのは映画『カジノ』です。
マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロの最強タッグで贈る、マフィア映画の最高を解説!
映画『カジノ』の作品情報
作品情報
作品名 | カジノ |
原題 | Casino |
監督 | マーティン・スコセッシ |
脚本 | ニコラス・ピレッジ マーティン・スコセッシ |
出演 | ロバート・デ・ニーロ シャロン・ストーン ジョー・ペシ ドン・リックルズ ケビン・ポラック ジェームズ・ウッズ |
製作国 | アメリカ |
公開日時 | 1996年4月20日 |
上映時間 | 178分 |
映画『カジノ』の登場人物とキャスト
写真 | 役名・キャスト・概要 |
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【エース】サム・ロススティーン (ロバート・デ・ニーロ) 凄腕の予想屋としてボス達に気に入られカジノ「タンジール」の責任者に抜擢される。 | |
ジンジャー・マッケンナ (シャロン・ストーン) エースの妻。以前から金持ちにたかっていた。レスターに惚れており大金を貢いでいる。 | |
【ニッキー】ニコラス・サントロ (ジョー・ペシ) エースの幼馴染で相棒。 | |
レスター・ダイアモンド (ジェームズ・ウッズ) ジンジャーのような女たちに金を貢がせ生活をしている。 | |
リモ・ガッジ (パスクァーレ・カヤーノ) マフィアのボス。 | |
ビリー・シャーバート (ドン・リックルズ) カジノの経営をするエースの側近。 |
映画『カジノ』のあらすじ
天才的な予想屋エース タンジールの責任者に…
天才的な予想屋のサム・ロススティーンはその脅威的な的中率でシカゴで有名になっていた。
そんな彼に目をつけたのがシカゴのボス達だった。
サム・ロススティーンはエースと呼ばれボス達の懐を不法賭博で潤していた。
そんなエースの用心棒を任されたのがニコラス・サントロ、通称ニッキーだった。
ニッキーはエースの邪魔をする奴が現れると暴力でねじ伏せ彼を守っていた。
ある時、エースは本拠地をシカゴからラスベガスに移しカジノの経営を任される事になる。
カジノ「タンジール」を任されたエースだったが彼には逮捕歴がありカジノを運営する免許を取得することが出来なかった。
しかし、表向きは別の社長をおき役職を変えながら実質的にカジノの経営者としてカジノを仕切っていくことに。
カジノの売り上げは全て集計室に運ばれていてそこには限られた人間しか入ることが出来なかった。
帳簿の誤魔化しや横領は日常茶飯事だった。
集計室から持ち出された金はマフィアのボスであるリモの元へ運ばれ、月に一度ラスベガスから離れたカンザスシティのスーパーの奥の部屋でマフィアの幹部達の会合が行われていた。
エースがカジノを運営するようになってから売り上げは爆発的に伸びることになる。
政治家や役員達への根回しを徹底的に行い地元の有力者も囲い込んでいた。
そんな時、ボス達はニッキーを用心棒としてエースの元へ送り込み上納金を納めさせることに決めた。
美しい風貌の女性ジンジャー
ニッキーの乱暴さを知っているエースは彼が問題を起こさないか心配をしていた。
案の定、ボス達の目が届かないラスベガスにきたニッキーは自由に動き始めることに。
ある時、タンジールにジンジャーという華やかな雰囲気を纏った女性が現れる。
ジンジャーはラスベガスでは有名な娼婦だった。エースは彼女に一目惚れをしてしまう。
しかし、彼女はレスターというクズ男を溺愛しており大金を貢いでいた。
エースは彼女を自分だけのものにすため、大金を渡したり、宝石をプレゼントしたりしてやがてジンジャーにプロポーズをしたのだった。
ジンジャーがレスターに相談すると結婚した方がいいと言われエースとジンジャーは結婚することに。
盛大な結婚式を開催するがジンジャーは式を抜け出し泣きながらレスターに電話をかける。彼女はレスターに対する想いを捨てきれずにいた。
その状況を目にしたエースはジンジャーに彼との縁は切るようにと伝える。
エースはジンジャーに贅沢をさせ大金や宝石を与えた。
さらに、大金や宝石を入れた貸金庫の鍵を開ける権利もジンジャーに与えたのだった。
金が生きがいのジンジャーはこの生活に満足し、娘も生まれ平和な日常が続いていた。
好き勝手に暴れ回るニッキー
ニッキーはいかさま師を仲間に加え、カジノで不正行為を行い、警察の注目を浴びる。
エースは何度も彼に「やりすぎだ」と忠告するがが、ニッキーは聞き入れなかった。
一方、エースはカジノ業界で成功し、ラスベガス・カントリークラブから表彰されるほどに。
しかし、ニッキーは警察のブラックリストに載り、カジノへの出入りが禁止されてしまう。さらに、彼は国中の警察とFBIにマークされたのだった。
ニッキーはカジノから追放されると、故郷から弟とヤクザの仲間を集めて強盗を行うようになる。
盗んだ宝石を売却し、大金を手に入れ、レストランを経営を始めた。
彼は本物のギャングとして評判を得て、シカゴのボスたちに2週間ごとに上納金を支払うことで彼らの機嫌を取っていた。
ジンジャーの不貞行為発覚
ジンジャーが大金を欲しいと言い出したことを不審に思ったエースはその理由を尋ねるが、ジンジャーは説明しなかった。
エースはニッキーにジンジャーを尾行させ、その結果、ジンジャーが別の男に金を渡していることを発見する。
ニッキーから情報を受けたエースは、2人の密会場所に向かう。
そこで会っていたのはジンジャーが思いを寄せていたレスターだった。
レスターはニッキーの手下に襲われる。
その光景を目撃したジンジャーはショックを受け、エースを非難する。
それ以来、ジンジャーは酒に溺れるようになったのだ。
エースは厳格な経営方針を持ち、無能な従業員を解雇した。
しかし、その解雇された従業員は地元役人の親戚であり、役人は再雇用を要求しにカジノに訪れる。
エースはこれを断り、役人との敵対関係が始まってしまう。
一方、ニッキーの行動によりFBIの監視が厳しくなり、カジノ経営に悪影響が出ていた。
ボスたちは上納金が減少していることに気付き、ピスカーノを派遣して状況を調査させる。
さらに、グリーンは女性との金銭トラブルで法廷に引きずり込まれ、帳簿を提出するよう命じらてしまう。
ニッキーはこの女性を射殺し、エースまでFBIの捜査の対象となった。
エースは無免許でカジノを経営していたため、発覚を恐れ免許を取得するために奮闘する。
エースとニッキーの対立
ニッキーはエースとの対立が悪化し、銀行家を脅して金を奪った。
エースはカジノの安全を守ろうとするが、ニッキーは相手を次々に殺し、多くの殺人容疑をかけられることに。
しかし、ニッキーは巧妙に証拠を隠し、逮捕を回避していた。
シカゴのボスたちはニッキーに自制を促しますが、彼は全く聞き入れなかった。
一方で、エースのカジノ免許申請は地元の役人によって妨害され、不当に却下されてしまう。
エースは怒り、政治家たちを公然と非難し、自身でテレビ番組を制作して政治家の不正行為と審問会の不当性を告発した。
エースはボスたちから「テレビに出るなんておかしい、諦めて引き下がれ」と言われると全ての元凶はニッキーだと彼を非難した。
一方、ジンジャーはエースとの離婚を求め、高額な慰謝料と娘の親権を要求してくる。
ジンジャーはアルコール依存症となり、娘を連れてエースの元を去りレスターに会いに行った。
しかし、ジンジャーはニッキーの協力でエースの元へ戻ってくるがエースとジンジャーの対立は激化し、ジンジャーはエースに対する敵意を募らせた。
ジンジャーはニッキーを誘惑し、彼と関係を持ってエースが持っている銀行の貸金庫の鍵を手に入れようとする。
ニッキーの行動により、上納金が減少し、ボスたちは不満を募らせていた。
また、エースの妻を寝取ったという噂は広まり、ボスたちの耳にも入っていたのだ。
マフィアの掟では仲間の妻を寝取ることが許されず、違反者は罰せられるためニッキーは焦りを感じていた。
離婚に発展するエースとジンジャー
エースとジンジャーの対立が悪化し、ジンジャーはエースを殺してほしいとニッキーに頼みに彼の店に訪れる。
しかし、ニッキーに無視されたジンジャーは絶望的な状態になる。自暴自棄になったジンジャーは家の前で大騒ぎすると通報により駆けつけた警察官が状況を確認しにくる。
エースはジンジャーを家に入れることを拒んだが、警察に説得され5分だけなら荷物を取るために家に入れることを認めた。
家に入ったジンジャーは金庫の鍵を見つけ出し、豪華なコートや宝石をつけ急いで家を出た。
警察に同行を頼み銀行の貸金庫まで向かう。
ジンジャーは貸金庫から大金と宝石を持ち出し車で逃走するがすぐにFBIに逮捕された。
消される関係者達
FBIはボスたちの会合を盗聴し、関係者の名前を把握しており、多くの関係者が逮捕され、マフィアは目撃者を排除し始める事に。
関係者は容赦なく暗殺され、ジンジャーも麻薬を打たれて死亡する。
一方、逃げることに成功したニッキーだったが、弟とともに襲撃を受け、瀕死の状態で生きたまま埋められた。
エースが愛車に乗り込むと車が爆発し、エースは炎に包まれる。
爆弾の仕掛けが下手だったことでなんとか助かったエースはラスベガスを離れる事にした。
サンディエゴに移り住んだエースは以前のように予想屋として儲けていたのだった。
映画『カジノ』の感想・解説
マーティン・スコセッシ監督のマフィア映画はハズレがないなという印象を受けた。
他の作品がフォーカスされることが多いが『カジノ』も間違いなく良作である。
最近ではレオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシの組み合わせで映画が作られることが多いが古くからタッグを組んでいるロバート・デ・ニーロとの作品にもハズレがない。
カジノで大金持ちになるという夢を見させる描写と裏ではマフィアによって金が動かされているという黒い部分をリアルに描き出していた。
当時のカジノの裏事情を知ることができ面白いという印象を受けた。
3時間弱の長編映画であるのにも関わらず飽きのこない展開が続き驚きだった。終始目が離せず最後の最後まで面白かった。
特にエースの妻、ジンジャーとエースの関係性が上手くいくのかな?と思いきやジンジャーの酒癖の悪さと男好きが高じて離婚まで発展する。
エースの財産を奪うことしか考えておらず、酒、薬、男に溺れるジンジャーが悪人でしかなかった。
ニッキーの姿はあまりに問題児でいずれ潰されるんだろうなと思いながら見ていたので彼の結末にはスッキリした。
この話は実話を基に製作された映画ということもあって裏社会やギャンブルの世界のリアルを見たような感覚を得られた。
まとめ
今回はマーティン・スコセッシ監督がロバート・デ・ニーロを主演に迎えた映画『カジノ』をご紹介しました。
2023年10月20日(金)にはマーティン・スコセッシ監督最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が公開されるのでその作品がより楽しみになった。
最後までご覧いただきありがとうございます!
次回の記事でお会いしましょう!
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