今回ご紹介するのは映画『変な家』です。
2023年に大ヒットした小説がついに映画化されました!賛否両論ある今作を原作を知らない勢の視点でご紹介します!
映画『変な家』の作品情報
作品情報
作品名 | 変な家 |
監督 | 石川淳一 |
原作 | 雨穴 |
脚本 | 丑尾健太郎 |
出演 | 間宮祥太朗 佐藤二朗 川栄李奈 長田成哉 DJ松永 瀧本美織 高嶋政伸 根岸季衣 斉藤由貴 石坂浩二 |
製作国 | 日本 |
公開日時 | 2024年3月15日 |
上映時間 | 110分 |
映画『変な家』の登場人物とキャスト
写真 | 役名・キャスト・概要 |
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雨宮トオル/雨男 (間宮祥太朗) オカルト専門の配信をするYouTuber。マネージャー柳岡が持ってきた変な間取りの家の真相を栗原と共に解明していく。 | |
栗原文宣 (佐藤二朗) 一方変わった設計士。ミステリー愛好家。 | |
柚希 (川栄李奈) 雨宮が投稿した変な家の間取りについて知っていると連絡をしてきた女性。 | |
片淵慶太 (長田成哉) 片淵綾乃の夫。 | |
柳岡 (DJ松永) 動画プロダクションで働き雨宮を担当するマネージャー。 | |
片淵綾乃 (瀧本美織) 柚希の姉。ある時を境に失踪していた。 | |
片淵文乃 (高嶋政伸) 重治の妻。綾乃、柚希の祖母。 | |
松岡喜江 (根岸季衣) 柚希、綾乃の母。 | |
森垣晴次 (斉藤由貴) 重治の親戚。ことあるごとに柚希、綾乃のことを監視していた。 | |
片淵重治 (石坂浩二) 片淵家の当主。綾乃、柚希の祖父。 |
映画『変な家』のあらすじ
動画クリエイター雨男と奇妙な間取り図
雨宮はオカルト専門の配信をするしがない動画クリエイターの雨男として活動していた。
雨男の動画は最近再生数が落ち込んでおり、これまでのネタがうまくいかなくなってきていた。
そんな中、事務所のマネージャーである柳岡から再生数の低下を指摘され、雨宮は落ち込んでしまう。
ある時、柳岡は引っ越そうとしている世田谷の家の間取り図を見せてくれた。
築1年の中古物件で立地も良いことから柳岡は引っ越しを考えているようだが彼の妻が間取りを見て引っ越しを反対していたのだ。
その間取り図には、キッチンの横に2枚の壁で仕切られた謎めいた空間が描かれていた。
雨宮はこの物件に興味を持ち、この謎めいた空間をネタにして新しい動画コンテンツを作ることにする。
設計士でミステリー愛好家の栗原
雨宮は、この奇妙な間取りの謎を解明する為にオカルト情報の提供者で、ミステリー愛好家でもある設計士の栗原に相談することにした。
栗原は少し変わっている人物で、パフェをぐちゃぐちゃに混ぜて食べる姿や古書に囲まれたボロアパートで過ごしていた。
そんな栗原に奇妙な間取り図を見せると、栗原は興味津々の表情を浮かべ、探偵のようにその物件が持つ歴史や謎について考察し始めた。
雨宮は栗原の調査に協力し、変わった家の謎を解き明かすことになる。
雨宮は、栗原の推理に導かれて子供を利用した殺人を実行するための家なのではないかという答えに近づいた。
するとその家の近くでバラバラ死体が発見されたというニュースが入ってきた。
変な家を知る女性
そのニュースと間取り図をネタに動画を配信するとその家に思い当たりがあるという宮江柚希が現れる。
柚希によると世田谷の家と同じような物件が埼玉にもあり、その家に行った夫が消息不明になったというのだ。
雨宮は柚希と共に変な家に乗り込むことになる。
その家には栗原の予想通り殺人をするためと思われる奇妙な穴や間取りとなっていたのだ。
すると栗原から雨宮に対して電話が入る。
栗原は埼玉で起きた事件を調べると宮江は独身で妻がいないかったことを雨宮に伝えその場からすぐに逃げるように言った。
焦った雨宮は咄嗟に家から飛び出し近隣の住民に助けを求めると追ってきた女性を見て面識があるような反応をしたのだ。
片淵柚希
雨宮が詳しく話を聞くとその女性は元々その家に住んでいた夫婦の妹だというのだ。
その後、雨宮が被害者を名乗る女性に真実を聞くと本名は片淵柚希だということが判明する。
彼女はこれまでのいきさつや、姉の夫婦がどこかに消えてしまったことなどを詳しく話した。
恐ろしい形相の女に襲われたり、さまざまな困難に直面しながらも、動画のために雨宮は調査を続けた。
雨宮と栗原、そして柚希は、すべての謎の答えが片淵本家にあると考え、その家への探求を続けることを決意するのだった。
片淵家の秘密を知る喜江
調査を進めるため、雨宮と栗原は柚希の母親である喜江のもとを訪れた。
喜江は、ホームレスの炊き出しなどのボランティア活動に熱心に取り組む人物であり、その姿勢には心からの尊敬が寄せられていた。
喜江は片淵本家への行き過ぎた関心を止めるように柚希に説得しようとするが、柚希は執拗に何かがあるのではないかと本家に行くことを決意していた。
そんな中、喜江は柚希に父親のノートを見せる。
そのノートは赤と黒のボールペンで塗りつぶされ正常な人間が書くようなものではなかった。
そして、喜江は柚希に父親が事故死ではなく、片淵本家のしがらみで死んだと告げる。
喜江は夫は片淵の家に狂わされた。
あの家は呪われていると言い、彼らを片淵家には行かないように説得するも柚希はなおも本家に行こうとする。
そんな雨宮は動画にする為に柚希に付き添い本家に行くことを決意したのだった。
片淵本家を訪れる雨宮
2人が片淵本家に向かった際、栗原は何か違和感に気付き、栗原は1人で再び喜江の家を訪ねる。
強引に家の中に押し入ると、雨宮を襲った恐ろしい形相の仮面と幻覚剤を見つけたのだった。
雨宮が謎の女に襲われたというのは、幻覚剤で朦朧とした意識で見た仮面をつけた喜江の姿だったのだ。
雨宮と柚希は片淵本家を訪れた。
その家はかつて、複数の事業で財を成した名家であり、村には片淵家の親類縁者しか住んでいないという特殊な村だった。
片淵本家の門には蝋燭が灯されており、誰かが家にいるような気配があるものの、応答はなかった。
雨宮と柚希は静かに家の中に入っていく。
柚希は雨宮に、片淵本家の周辺では失踪事件が起きたことがあると教えた。
その失踪者の中には、片淵本家に宿泊した人もいたそうだ。
雨宮はこの事実を聞いて、片淵本家が子供を利用した殺人を実行するための家ではないかと考え、恐怖に襲われた。
雨宮と柚希は片淵家当主である片淵重治、片淵文乃、清次と出会う。
そこで、雨宮と柚希は綾乃と彼女の夫、慶太とも再会するが、彼らの子供であるヒロトの姿が見当たらなかった。
さらに、柚希が会話の最中に意識を失ってしまう。
片淵家の呪い
柚希が目を覚ますと、傍らには雨宮と栗原がいた。
栗原は喜江から片淵本家の歴史を聞き、それを伝えるために長野県までやって来たのだった。
話は、片淵家に代々伝わる左手供養の儀についてのものだった。
明治時代、片淵家にはタカマウシオという女中が仕えていた。
彼女は本家当主の妾となり、子供を妊娠したが、そのことが本妻の逆鱗に触れ、暴力を振るわれたのだ。
その結果、タカマウシオは流産してしまう。
その後、座敷牢で囚われ続けたタカマウシオは錯乱し、左手を自ら切り落として自殺しまった。
その日を境に、片淵家では左手のない子供が生まれるようになり、不幸が続いたのだ。
片淵家の当主は、家の不幸を断ち切るために霊媒師に相談した。
その結果、左手供養の儀というものが生み出されたのだ。
この儀式は、片淵家の血を引く男児が、10年間陽の光を浴びずに育てられ誰かの左手を切り落として殺害するというものだった。
そして、この儀式を3年連続で行わなければ、片淵家に災いが訪れると信じられていたのだ。
片淵家の秘密を探る雨宮
重治たちが不在の隙を突いて、雨宮たちは片淵本家の秘密を探った。
部屋の中を探索する中で、彼らの注目したのは廊下から直接続く仏壇だった。
仏壇の周りを注意深く調べると、蝋燭の灯りが揺れていることに気づいた。
そこで、雨宮たちは仏壇を動かすと、その裏に隠された通路が現れる。
隠し通路は客人が泊まる和室に続いていた。
雨宮たちはこの家もまた、謎の空間を持ち、子供を利用した殺人を実行するための家であることを突き止めたのだ。
さらに通路は二つに分かれており、もう片方も調査しようとする雨宮だったが、栗原は何度も忠告した。
それでも雨宮は真実を知るために、隠し通路を突き進んでいく。
その通路は洞窟に続いており、そこは左手供養の儀を行うための場所だった。
洞窟の奥にはタカマウシオの祭壇があり、彼女の霊が鎮められていた。
さらに、地下牢も完備されており、そこには左手供養の儀のために隠された子供が監禁されていた。
その光景を発見した次の瞬間、清次に襲われ、雨宮たちは捕らえられてしまう。
薬によって洗脳されている慶太と綾乃
高校時代、慶太はいじめられっ子で苦しんでいたが、転校生である綾乃に救われていた。
その出会いがきっかけで、慶太は綾乃のことが好きになり長い時間を共にすることになる。
やがて左手供養の儀にも参加することを条件に綾乃との婚姻が認められたのだった。
片淵家の左手供養の儀を行うため、綾乃と慶太はトウヤという子供を育てることになった。
しかし、トウヤを育てる内に綾乃と慶太は左手供養の儀を渋るようになり、本家は彼らの抵抗に対して非情な手段を取ることになる。
綾乃と慶太の子供であるヒロトを人質に取り、彼らを幻覚剤で監禁していたのだ。
その証拠として、綾乃の腕には多量の注射の痕が残されていた。
変な家の真実
この話を聞いた栗原は隠し通路には単なる殺人のためのものだけではなく、片淵本家の人々がトウヤを迎えに来た際に身を隠すためのシェルターとしての側面もあったのではないかと推測する。
その考えを聞いた綾乃は、静かに頷いたのだった。
そうこうしている間に片淵本家に集まった村人たちが、左手供養の儀を執り行なおうとしていた。
雨宮はその儀式の生贄として、トウヤに左手首を切り取られそうになる。
しかし、トウヤは自制心で左手首を切り落とさなかった。
その寸前、雨宮はタカマウシオが祀られていた台を蹴り崩し、その結果、重治が巻き込まれる。
慶太が囮となり、雨宮たちは逃走を試みるが、その先で文乃がチェーンソーを振り回して襲い掛かってきた。
村の人々全体が雨宮たちを殺そうとしていたのだ。
雨宮たちは住人から逃れるために隠れ通路に逃げ込み、一安心かと思われたその時、清次が襲い掛かってきた。
雨宮は絶体絶命の状況に陥ると左手供養の儀が洗脳であると清次に訴えかける。
清次は左手供養の儀を信じてはいなかったが、片淵本家の莫大な財産を狙って参加しているのだと語り始めた。
するとその言葉は重治に聞かれてしまい、殴られた上で左手を切り落とされてしまう。
そして、地下の洞窟が焼け始めているにも関わらず、左手供養の為に洞窟へと重治は戻っていった。
片淵家から脱出した雨宮
雨宮たちは喜江のワゴン車で駆け出し、後ろを振り返ると片淵本家が焼け落ちていくのが見えた。
雨宮はこの出来事を動画としてまとめることを決意する。
そして、脱出後、綾乃からバラバラ死体の発見事件の秘密を聞き出し動画に収めた。
綾乃によると、綾乃と慶太夫婦は、左手供養の儀を行うことを条件にして片淵本家から引っ越すことができたそうだ。
しかし、2人はトウヤに殺人を実行させることに躊躇していた。
そんなとき、綾乃と慶太夫婦は会いに行った宮江が心臓発作で亡くなっているのを見つける。
そして、その左手を切り落とし片淵本家に送ったのだった。
翌年、左手供養の儀を続けることができない為、延期するよう申し出たが、何者かが代わりの左手を片淵家に送りつけてきた。
それによって片淵本家は綾乃と慶太夫婦を疑い始め、子供たちを人質にして二人を本家に連れ戻したのだ。
そして、綾乃と慶太は薬漬けにされてしまったのだ。
一方、ニュースでは重治、文乃、清次らの焼死体が発見されたことが報じられ、綾乃たちは消息不明の慶太を待ち続けるのだった。
雨宮の部屋の謎
雨宮は今回の件のすべての動画を公開せずお蔵入りにすることを決意した
柚希は喜江と綾乃が話しているのを見かける。
喜江と綾乃は今も呪いに洗脳されたままだったのだ。
片淵家が焼失してもなお2人はホームレスの炊き出しのボランティアをしながら次の左手供養の生贄を探していた。
喜江がボランティアに参加していたのは身元不明の左手を確保する為だったのだ。
栗原は雨宮の自宅の間取り図を見て、謎の空間を見つける。
その壁を見るとウジが這い出ており、中から壁を引っ掻く音が聞こえてきたのだった。
映画『変な家』の感想
奇妙な間取りをした変な家を題材の面白い切り口で展開していくのでかなり新しさがあり、見ていて引き込まれる設定だと感じた。
衣食住で一番身近にあると言っても過言ではない住の部分にスポットを当てて奇妙な間取りを取り上げることで身近に潜んでいるかもしれないと考えされられ恐怖を感じた。
雨宮が不動産の間取りを取り上げ、栗原と調査を開始し、世田谷の家を見にいくところくらいまではかなり引き込まれ、柚希が実は宮江の妻ではなかったところが個人的には一番の恐怖の盛り上がりだったと感じた。
そこまではかなり上手く作られていて、ストーリー的にも面白かったが終盤の意味不明なバトルシーンで若干の残念さを感じてしまったのが個人的な意見である。
さらに、奇妙な間取りという設定なだけで十分不気味さを放っているのにも関わらず、事あるごとに脅かしの要素を入れてきていてミステリーというより、もはや雑なホラーというような感じだった。
ただ、殺人の為に作られた家という上手い振りから、実は左手供養の儀式からトウヤやヒロトを守る為に作られた部屋だったと明かされたのは良かった点ではある。
原作を全く知らない著者は物語前半はかなり良いと感じたものの後半は若干残念さを感じてしまった。
薬を使用しているという設定で気を失っているのにその後、普通に戻っていたり、囚われているのにかなり自由に行動できたりと片淵家での行動に矛盾を感じるシーンが多かったように感じる。
それでも奇妙な間取り図、片淵家の秘密、洗脳の恐ろしさを上手く結びつけて表現している点は良かった。
ホラーに寄せるよりも、もう少しミステリー寄りの方が良かったのではないかと個人的には感じた。
まとめ
今回は大ヒット上映中の映画『変な家』をご紹介しました!
不動産のおかしな間取りを切り口に展開されるミステリー作品で知識なしで十分に楽しめました。
2023年に大ヒットした小説を映画化した作品で、かなり注目度も高いので劇場公開中に鑑賞することをおすすめします!
最後までご覧いただきありがとうございます!
次回の記事でお会いしましょう!
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